岡山大学病院 低侵襲治療センター

下部消化管チーム


fig.1 腹腔鏡下低位前方切除後


fig.2 単孔式腹腔鏡補助下回盲部切除


fig.3 腹腔鏡下大腸全摘
ストーマ閉鎖前


fig.4 腹腔鏡下大腸全摘
ストーマ閉鎖後(IAA)

低侵襲治療というと、できるだけ傷を少なくする治療を連想します。すなわち内視鏡あるいは腹腔鏡による治療を意味することが多いと思います。
低侵襲治療は、それ自身が目的となりがちです。しかし、低侵襲治療は手段であって目的ではありません。つまり、傷を小さくすることが目的ではなく、治療によって病気を治すことが目的です。病気を治すひとつの手段として、手術があります。そのなかで低侵襲、すなわち、できれば体に受ける負担がより少なく、傷がより小さくなればそれにこしたことはありません。
傷は小さいけれど、術後の合併症が増えてしまっては元も子もありません。
がん治療においては、治療の目的は癌を治療することです。癌を治すということに関して従来の方法と同等であれば、我々はできる限り患者さんが受ける侵襲を小さくする、そうしたスタンスで日々の診療を行っています。

大腸癌の場合

内科的な治療後の追加切除は、腹腔鏡治療の良い適応であり、積極的に腹腔鏡による切除を進めています。進行がんにおいても、慎重に適応を判断しながら、腹腔鏡手術を取り入れています。良性の腺腫であっても、大きさや場所によって、最初から腹腔鏡手術の適応となる場合、単孔式手術(回盲部切除等)も行っています。腹腔鏡下低位前方切除術と単孔式回盲部切除術の腹部の写真をそれぞれfig.1とfig.2に示します。

炎症性腸疾患の場合

潰瘍性大腸炎やクローン病に代表される炎症性腸疾患では、若年者の割合が高く、これら良性疾患においても、積極的に腹腔鏡治療を取り入れております。
潰瘍性大腸炎に対する大腸全摘では、一時的人工肛門造設が必要となります。しかし、腹腔鏡下の大腸全摘では、ストーマの2cm強の傷がもっとも大きな傷となり、術後の負担がかなり少なくなります(fig.3(ストーマ閉鎖前)、fig.4(ストーマ閉鎖後))。クローン病では、術前に病変の検索が十分できていることが前提になりますが、潰瘍性大腸炎よりもさらに若年の患者さんが多いため、可能であれば、単孔式手術を含め、Reduced port surgeryで、できる限りcosmeticに優れた手術を目指しています。

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